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2007年7月26日 (木)

夏への扉 -第3章 アドマイヤムーン-

私にしては、タイムリーな話題で。

既報の通り、アドマイヤムーンのゴドルフィン移籍が、ほぼ正式合意とのこと。40億が妥当な額かどうかは、あと数年してみないと分からないので、コメントしませんが、重要なのは、それだけのオファーをモハメド殿下に決意させたということなのでしょう。

画期的であるのは、私が言うまでもないことですが、非常に意義深い出来事と思います。日本で生産され、日本での競走を経て、海外に転戦、その実績と血統的な価値からのオファーです。

ゴドルフィンのアメリカ志向の高まりから、先般のユートピアのトレードに続く、今回の件。アメリカの主流血脈であるミスプロ系の中でも傑出した拡がりを見せるフォーティーナイナーの系統の、日本における最良な競走馬2頭をトレードし、恐らくは、アメリカでの種牡馬入りとなるように思うのですが、そんな中でも、数年でも、ダーレージャパンでのスタッドインも充分に視野に入れての行動ではあると思います。

まあ、単純にここ数年の、とりわけ今年のゴドルフィン陣営の深刻な不振による若干の焦りも、この金額には影響を及ぼしてもいるのでしょう

何はともあれ、オーナーサイドの契約条件となる天皇賞秋への出走が、どのような形となるのか、その形態、過程なども大いに注目されるところです。

また、ナドアルシバ、シャティンでの実績や宝塚でのパフォーマンスを見る限り、欧米の芝コースにも一定の適性を感じますし、私個人としては、チームゴドルフィン入りしたアドマイヤムーンの行方には大きな希望を抑えられません。ヨーロッパであれば、マイルから二千前後、アメリカであれば、二四まで対応可能と考えますので、狙えるレース・路線は多岐に渡ります。

また、本馬以外の馬に対しても、大きな影響があるでしょう。

まずは、天皇賞秋。

私は個人的に、アドマイヤムーンは勝てない、と踏んでいますので、この馬を破った馬の評価は上がるだろうという部分。レイティング的にも良い数値を期待しましょう。

次に、日本におけるアドマイヤムーンの位置づけから世界での能力比較において、大きな判断材料となる。それは、単純な能力比較ではなく、能力ベースと適性のバランス、とでも言いましょうか。より現実的な把握が出来るものと思ってます。

また、日本馬に対する評価が上がることで、積極的な遠征が増える。

今回のようなことがあれば、それ目当て、というような遠征を目論む陣営も出てくるかもしれません。それはそれで、結果論として、日本馬の地位向上につながれば、私は、問題視しません。関係者の品性、という部分での、問題は別次元で浮き彫りとなる可能性はありますが。

これまでの圧倒的な輸入超過だったサラブレットという種において、新しい流れが始まりつつあるのかもしれません。それは、日本の競馬界が逃してはいけない大きなターニングポイントとなるのでしょう。

って、アドマイヤムーンから離れましたかね?

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2007年7月17日 (火)

夏への扉 -第2章 メイショウサムソン-

 間違いなく、古馬のトップホースの一頭であることを、そして、クラシック2冠は伊達ではないことを認識させてくれた馬ですね。昨年から追いかけていましたが、後半の不調ぶりに同厩だったネオユニヴァースの影がちらつき、不安に思っていたことを今更ながら、サムソンには謝罪いたします。申し訳。

 そして、ウォッカ同様に、こちらも凱旋門賞に参戦。

 多くの方が指摘しているように、サンデーサイレンスの血統より、オペラハウス(ダンシングブレーヴ)の血統の方が、ロンシャンに適性があることは、間違いないでしょう。しかし、だからといって、絶対に好走できるというわけでもなく、様々な関門が待ち構えていることでしょう。

 そして、この馬に関しては、早速、第一弾。武豊騎手への乗り替わり。

 一素人の個人的な感想からすれば、「合わないのではないか」という感じです。流れに合わせて最後に瞬発力を発揮させるようなイメージの武騎手と、強引なレース運びで、ねじ伏せるメイショウサムソン。流石に、私は「これまで乗せて来たんだから」的な理由で、石橋騎手で行くべき、というようなことを言うつもりはありませんが、海外経験豊富とかロンシャンも数多く乗っているという理由での武騎手起用というのは、若干ミーハーな選択のように感じていました。

 ただ、先日、滞在場所、預託(?)厩舎の選定、現地での調整過程に関する情報の収集といったことも込みでの武騎手起用というような論旨の記事を読むにつけ、ある程度はなるほどな、という感じ。海外情報に詳しくない厩舎サイドにしてみると、そのような要素は、かなりの負担となるはず。そういった意味では、フランスにおいても、一定の経験・情報・人脈を有する武騎手という選択も合理的ではあるかな、と。ただ、そういった要素というのは、厩舎を運営するに当たって、前情報として把握しておいて欲しいし、現地でのコーディネイターの確保といった部分も今後、必須となっていくと思うのですが。

 何はともあれ、ロンシャンでの栄光を期待しています。能力的に充分通用するレベルであろうとは思っています。

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夏への扉 -第1章 ウォッカ-

夏を前にして、いい加減更新しておこう、という気持ちでして。2007年も折り返しましたので、その辺を一気に、振り返るという、大雑把なエントリーシリーズ第一弾。

 なんだかんだ、今年の競馬を語る上で、最も重要な馬となりました。後半戦も多くの話題を振りまくことでしょう。私たちは伝説を目撃しているのだ、という気がしています。勿論、牝馬として64年ぶりの日本ダービー制覇、というだけで十二分に伝説ではありますが、この秋の結果によっては、日本競馬史上、最も偉大な競走馬という称号を手にしてしまう可能性を秘めています。

 ただ、正直に言うと、私自身はこの馬の実像を掴みかねています。阪神JFでは自信の本命でしたし、レースを見て、これは凄い馬が登場したと唸った事を覚えています。その後のエルフィンSやチューリップ賞で確信したのは、「強いマイラー」という認識です。その認識は桜花賞の敗戦とダービー参戦で危うくなり、「もしかしたら、能力でマイルに対応する中距離・クラシックディスタンスホースなのでは?」という憶測を持ちました。しかし、歴史的なダービーでの圧勝でも、マイル適性馬の上位独占という事態が、「やっぱり強いマイラーなのか」という思いを増幅させ、不可解な(あくまでも、凱旋門賞に参戦する3歳馬としてのという意味ですが)宝塚参戦に当惑。結果を見て、更に、混乱。現時点では、全く持って、どう認識するべき馬なのか、分かりません。

 しかし逆の見方をすれば、私のような凡人が実像を掴みきれない、これまでの日本競馬の常識で推し量ることの出来ない競走馬であるならば、10月7日のロンシャンで歓喜の輪の中にいるのは、この馬なのかもしれません。 

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