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2008年3月30日 (日)

世界フィギュア総括と今後の展望(って、堅いタイトル)

 多くの方同様、私も世界フィギュア見ました。

 フジテレビには、何とか生中継での放送をお願いしたかったのですが、実現できたのは、男子FSのみでしょうか?その男子が、高橋選手の失速という残念な結果。ゴールデンタイムで再放送してもいいから、今後は生でお願いしたいところです。

 朝の6時過ぎから、ISUのリザルトのページのリロードを連発してるのは、悲しいです。

 今年も、塩原アナの実況は、若干ウザかったですし、日本のスタジオからの国分、ウッチーの放送は意味なかったとは思いますが、それでも、テレビ朝日の放送に比べれば、どれだけましなことか。そう考えれば、太一君を加えることで、ジャニーズがスポンサードしてくれることの意味もあるのかなあ、とか大人な考えもよぎったりする訳です。

 結果的に言うと、浅田選手の金1つという日本代表の成績に、「物足りない」というような思い上がった、典型的なマスコミの論調というようなものも散見しました。まあ、いつものことながら、自称プロと名乗りながら、くだらない情報を垂れ流し続ける彼らの姿勢には辟易しますなあ。

勿論、高橋選手や安藤選手、中野選手などアクシデント、ミス、無念、諸々あるところですが、今回大会で最もフィーチャーされるべきは、男女ともに、次回の出場枠3枠を維持できたことであろうと思います。浅田選手の金は勿論めでたい事ですけども。

 そんなこんなで、思いつくままに、今後の展望なども含めて、勝手に書き連ねようという次第。

○浅田真央選手 <金メダル>

 素晴らしいですね。おめでとうございます。まあ、様々なところで、もういらん位に語られていることですので、言うことないっちゃあ、ないんですが、いくつか(あるんかい!ってことで)

 今回、彼女はSP、FS含め、大きなミスは3Aとスピンのダウングレード辺りでしょうか。昨シーズンから課題であったひとつの大会で演技をまとめるということがある程度できたということでしょうか。そして、3Aでの大転倒からのほぼ完璧な演技。そのタフネスはやはり、世界女王として賞賛を受けるに値するものであったと思います。

 ただ、これで精神力がついたとか、問題ない、とは思えないんですよねえ。捻くれ者の私としては。ある意味、3Aの転倒で開き直れてしまったということも出来るように思うのです。まあ、開き直れて、完璧な演技が出来れば、大変素晴らしい選手ではあるのですが、一視聴者として、心配してしまうのは、彼女が、他の選手とぎりぎりの凌ぎ合いをするというシチュエーションが、あまりなく、本番(勿論、オリンピック)で、そういう部分での脆さを露呈してしまうのではないか、ということですね。

 彼女のよく言う「ノーミスの演技をするだけ」ということ。勿論、そのとおりです。でもそれは他の選手と向き合っていない、ということでもあるように思うのです。フィギュアという競技が、新採点ルールによって、客観化されたとは言え、順位については、他の選手との相対評価である以上、駆け引きやゲームマネージメントは舞台が大きくなればなるほど必要不可欠になってくるでしょう。

 なまじ実力が飛び抜けている為に、ある意味でそういう部分での弱みを見せてしまうのでは、と感じてしまうのです。もしかすると、今後、彼女を上回るポテンシャルを持ったスケーターが登場してきたときに、彼女は、どう対応していくのか。そんな選手は出てこないで欲しいなあ、とか思いながら、でも出てきたときに、彼女には冷静に、そして、力強く、勝ち切って欲しいんです。その為には、より過酷な精神力の戦いを経験し、逞しく、したたかになって欲しいと思うのです。

○安藤美姫選手 <途中棄権>

 彼女にとっては、非常に辛い大会となってしまいましたね。怪我ですから、仕方のないものです。来年度に向けて、気持ちを新たに、頑張って欲しいですね。しかし、彼女は波乱万丈な物語が付きまとう選手のようですね。まさに、お姫様なのかもしれません^^。笑い事ではないのかもしれませんが。

 しかし、今回の肉離れは、100%アクシデントですので、対処のしようもないところです(勿論、体調管理という点での指摘は受けるでしょうが)。出来るだけ軽症であって欲しいし、きっちり、治療すれば、完治するものでしょう(そう願いたい)。やはり問題なのは肩の怪我でしょうね。完治には数回の手術が必要で、しかも治るとは限らないということのようで、本人にも迷いがあるようです。でも、彼女がバンクーバーでメダルを狙うのであれば、不可避だと思います。

 昨年の世界フィギュアでも分かるように、安藤選手が、完璧な演技をすれば、現状でも十分メダルを狙えるとは思います。でもそれは、ハードルが高すぎる。大事な大舞台でSP・FSの全てを完璧に出来る選手など、そういるものではないでしょう。であれば、小さなミスが幾つか出たとしても、戦えるレベル(エレメンツ)を確保しておく必要がある。となると、肩の怪我以前は、出来ていたビールマンスピンは外せない要素ですし、柔らかい滑りには、肩の違和感は出来うる限り、排除しておきたいところです。勿論、本人が決めるべきことですが、本番で輝いて欲しいと思う私は、彼女が手術からの華麗なカムバックを見せてくれることを祈っています。

 精神的にも、コンディション的にも、波の激しい選手ではありますが、現在、メダルを争う選手たちの中で、精神力を含めたぎりぎりの戦いを、力強く勝ち抜いた経験を持つのは彼女だけです。その経験は大きな財産でしょう。それは、来るべき大舞台でも彼女を助けてくれるはずです。頑張って下さい。

○中野友加里選手 <4位>

 彼女にとっては、大変素晴らしい大会となったことでしょう(勿論、悔しさも大いに有ったでしょうが)。彼女自身、メダルに最も近づけたという自信と、それでもメダリストとの間に横たわる厳然としたポイント差をひしひしと感じていることでしょう。

 私もあの演技であの点数は違和感はあるのですが、ジャッジペーパーを見ると、納得せざるを得ない部分もありますね。いろいろと細かい部分での問題もあるのですが、やはりトリプル-トリプルを入れていかないと、メダルに届くのは難しいということを強く印象付けるものでした。彼女のあの演技でも、3位のキム・ヨナとの差は、大きなもので、各エレメンツのGOEを極限まで高めても、追いつけないほどのものでしたし。

 彼女もそれは痛感しての、直前までのトリプル-トリプルの練習やプログラムに組み込むというような表明もあったわけですし。やはり来期以降、彼女の試練はそこに集約されていくのではないでしょうか。

○高橋大輔選手 <4位>

 今大会のショッキングな出来事の一つが、高橋選手のFSの失速でしたね。高橋選手をして、十分なパフォーマンスが出来ない状態に置かれてしまう。四大陸選手権での圧倒的なパフォーマンスや報道される好調さから、ついつい期待してしまいましたが、やはり最高峰の舞台は甘いものではありませんでした。

 そして、トップレベルの選手たちが、1~2点の中にひしめく大混戦という展開で、殆どの選手が演技で失敗しました。そんな空気の中、高橋選手も失速してしまいました。今大会金メダルを命題にして挑んだわけですが、この戦い、悔しさは次へのステップになるでしょう。トップの力を持っている選手には、王者になる資格はあります。でも必ず王者になれるわけではありません。厳しい戦いを勝ち抜いて、初めて王者になります。高橋選手もそのスタートラインに立ちました。王者になる資格のある選手達による精神力の戦い。より厳しい戦いに漕ぎ出す高橋選手を応援したいですね。

○小塚崇彦選手選手 <8位>

 今大会でのサプライズ(勿論いい意味でですが)は、彼の活躍でしょう。この大舞台でこれだけの結果を残せたこと、大変な自信となったと思います。今後の成長は欠かせませんが、彼の世界への足がかりとなったのは間違いありません。今後復帰してくるであろう織田選手とともに、3人で世界で戦う姿を応援したいものです。

 そして、先にも触れたとおり、彼の活躍で、男子も世界選手権での出場枠を3枠確保できました。非常に大きなことです。日本にとっても、小塚選手にとっても。

○女子シングルの今後

 今回も結局、トリプル-トリプルを飛んだ選手が、表彰台を独占しました。勿論メダリストになった選手は、その他のエレメンツも高いレベルで演技していますが、やはり、基礎点でも大きく差の付くトリプル-トリプルは、挑戦しなければならないエレメンツとなってきたと言えるでしょう。今回のSPでも多くの選手が大接戦という結果。来るべきオリンピックに向けて、各国が強化の成果を見せつつあり、日本は安心していることは出来ません。

 そして、今大会を通じて、来年に向けての勢力図も見えてきたように思います。日本の浅田、安藤、中野という3選手は、それぞれがメダル候補という超強力な布陣となりました。コストナー選手は、FSでも大崩れすることなく、欧州選手権者の風格を持ちつつあります。2年続けて怪我によるコンディション不良から、3位に甘んじたキム・ヨナ選手が調整を成功させれば、強力な金メダル候補でしょう。ここ2年の不調からの脱却が見え始めたマイズナー選手、ジュニアからやってくるアメリカの選手たち。伝統の北欧の選手達は、今回の大会を経験して、より成長した姿を私達に見せてくれることでしょう。

 こういった選手達による来シーズン、そして、バンクーバーでのオリンピックまで、女子シングルから目を離す事は出来なさそうです。

○男子シングルの今後

 今回、当初予想された高橋、ランビエール、ジュベールというメダル候補ではなく、4回転を飛ばなかったバトル選手がほぼ完璧な演技で、金メダルを獲得したことで、4回転論争が起こったわけですが、私の感触では、今回の大会が、4回転での争い、となったことが、結果論で言えば、早かったということなのだろうと思います。

 しかし、選手達が取り組んだ4回転をプログラムに組み込むということ自体が間違っているとは思えません。バトル選手は素晴らしい演技をしましたが、その分、最高峰の舞台で4回転に挑戦するという経験を一つ犠牲にしたとも言える訳です。このヒリヒリとする舞台での4回転という高難度の技に取り組んだことは、来シーズン、そして、バンクーバーでのオリンピックに臨む選手達にとって、大きな財産となったことでしょう。

 今回は、残念ながら、失敗、あるいは、本数を減らす、といったことで、点数の伸びは少なかったわけですが、今後、全ての選手が崩れるということは、考えづらく、4回転を入れ込んでこないことには、メダル争いに参加する資格すら与えられない可能性が高いのです。高橋選手には、ブレることなく、バンクーバーでの栄光を目指して、精進して行って欲しいですね。

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