メイショウサムソンの挑戦は終わりました。
結果は、ご存じの通り、10着惨敗。まあ、幾つもの不利あり、勝った馬はちょっと強すぎだといったことあり、妥当というか、想定の範囲内というか、がっかりしつつも冷静な感じです。
敗因について、いくつか書き連ねてみようかと思いましたが、その前に。
レース終了後、何の気なしに、2006年ディープインパクトの遠征終了後の自分のエントリーを見ていて、愕然としました。殆ど今回の遠征について語っているかのような内容。まあ、ある意味、ディープと殆ど同じような状況の遠征だったのだから、同じで当然とも思いますが、しかし、これでは学習能力がないと言われても反論の余地はないですね。
ということで、ここで改めて、2006年のディープ敗戦に関連したエントリーを、ここに再録してみようと思う。敢えて、編集はせず、原文のまま、収める。
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---- < 2006.10.11 >---------------------------------------------------------
凱旋門賞から、はや一週間が過ぎました。
私自身の心の整理も含め、今更ながら、凱旋門賞の分析、というか、何故ディープインパクトが凱旋門賞で3着に敗れたのか、ということについての、一考察を行おうと思います。
まあ、要するに自分を納得させたいということですね。
勝った馬がレイルリンクですよ?
弱い馬とは思いませんが、ディープより強い馬とは思えませんでしたので。結果で言えば、上だということになってしまうのですが、ことはそんなに簡単ではないと思うのです。
そこで、私の考え。(あくまでも一素人による考えですが。)
「陣営の凱旋門賞に対する考え方が浅かったのではないか?」
ということです。
めちゃめちゃ偉そうな書き出しですが、敢えて、こう言わせて頂きたいと思います。
現地では、一ツアー参加者にとって情報はゼロに等しい状況でした。Paris Turfとか買ったってフランス語読めないんだから、何の足しにもならん。で、帰国後に様々なメディアで情報を見ることで、大体の状況は掴めて来ました。
まず、私は、橋口調教師を初めとする悲観論。所謂「ディープでも勝てないのでは、日本馬は数十年勝てない」的な意見には、全く与しません。
馬鹿かと!素人かと!絶対勝てるって言ってみたり、数十年勝てないって言ってみたり、躁鬱激しいなって感じ。もっと冷静になりましょう。
あのレースはディープインパクトが完全なレースをしたでしょうか?能力を100%出し切りましたでしょうか?私にはそうは思えない。勿論、「力を出し切れない=能力の限界」という公式も成り立つのですが、ディープインパクトという競走馬の限界があのレースにあったとは思えないのです。これから、その原因を幾つか指摘します。(といっても、もう散々指摘されてきたことではありますが…)
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まず、斤量について。
レース後に調教師も指摘し、先日、オーナーもそのような趣旨の発言をして、凱旋門賞への再挑戦に否定的な態度を示したとか。
全然駄目。
凱旋門賞が3歳馬のレースだって事は、最初から分かっていることだし、それを承知で挑戦したのに、負けた後でそれを言い訳にしては、説明が付かない。そして、カッコ悪い。橋口調教師のキングジョージ後の「日本でやったら負けない」発言と同等のカッコ悪さ。それでも勝てると思ったんだけど…、って言うことだとは思うんですが。
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はい次。
私は、やはり
「本番前に前哨戦を使わなかったこと」
は非常に大きなマイナス要因だったと考えています。
近年の凱旋門賞馬が前哨戦を使っての制覇だったことは、今更言うまでもないことですが、この事実は大きい意味を持ちます。
欧州の最高峰のレースを勝ち取ろうとするのです。トップクラスの馬、陣営が挑みます。それも不利が無いホームコースの人々が、です。
そんな彼らでも、前哨戦を使わずして、近年勝てないレースなのです。それだけ極限状態の能力を問われるレースであるという証だと思います。
ましてや、これまで欧州以外の馬が制していないという状況を考えれば、出来るだけ、不確定な要素は排除していかなければならない、と考えるのは自然でしょう。
「ディープは休み明けでも問題ないタイプ」
「日本の調教は欧州とは違いがあり、休み明けが一概にマイナスとは言えない」
というような、意見もありますが、現に負けました。つまり、ディープインパクトというクラスの馬でさえ、問題ないとかいうレベルで勝つのは難しいレースである、ということですね。実際、なんだかんだ言っても、日本でG1にぶっつけで出走させていない時点で、ディープインパクト自身、休み明けであるよりも、1戦叩いて本番に臨むことを陣営は選択しているわけです。それを、欧州の最高峰のレースに挑むときにしていない。ならば…。
ということです。
勿論、ここでは「前哨戦を使うリスク」と言う要素も入ってきます。
それによる消耗、欧州の陣営に手の内を見せてしまう、体調管理の問題。色々あります。
でも、そんなリスクを犯してでも、欧州の競馬場でのレース経験を得るという要素は重大だったと思うのです。これは、「馬場に対する適性=経験することでその適性の見極め、対策が取れる」「位置取り=欧州のレースの流れに対応できる」「早仕掛け=コース攻略の部分、欧州競馬での厳しいレースでの経験」といった要素とも結びつき、今回の結果に直接的に影響を及ぼしていたと考えています。
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ここで、そもそもの定義。
「陣営の凱旋門賞に対する考え方が浅かったのではないか?」
ということになるのですが、
果たして、関係者は、凱旋門賞というレースをどういう位置づけで捉えていたのでしょうか?
- 世界最高峰のレースという夢舞台
- 実際に制覇を考える目標レース
どちらの要素も持っていたとは思うのですが、どちらかと言うと、前者のニュアンスが大きかったのではないか、もしくは、彼ら自身は後者であると思っていたとしても、第三者からみると前者の考えに近い様相と受け取られる体制。
ここで、大いに反論があることは承知しています。
去年の三冠達成時点で、あるいは、ダービー制覇時点で、凱旋門賞は意識していたであろうし、今年に入ってからは、精力的に、様々な情報や手続き、それに伴う作業を、ほぼ完璧にこなしてきたじゃないか、と言う指摘。
その通り。
陣営の体制やその仕事は、見事だったと言わざるを得ません。流石に、長年トップトレーナーとして君臨する調教師、そのスタッフです。
しかし、問題はその思想です。
グランドデザインといっても良い。
「この馬で何としても凱旋門賞を取るという覚悟」と言い換えることも出来る。
ディープインパクトの今年のローテーション。
阪神大賞典→天皇賞(春)→宝塚記念→凱旋門賞→<天皇賞(秋)>→<JC>→<有馬記念>
<>は予定
一般的な王道路線
阪神大賞典→天皇賞(春)→宝塚記念→京都大賞典→天皇賞(秋)→JC→有馬記念
殆ど同じです。当然ながら。遠征発表当時から、凱旋門賞後のスケジュールは、馬の状態次第という説明でしたが、状態次第ではあっても、体制としてはこのように使うという考え方の基に行動するということだろうと思います。最近までは、天皇賞は考慮されてはいませんでしたが、ここに来て、天皇賞にも意欲を見せ始めていることで、より明確になってきていますが、
これは日本でのレーススケジュールを第一優先として、凱旋門賞は国内G1と同程度の目標として設定されている。
このように受け取られても、仕方が無いと思うのです。
勿論、夏場の休養から京都大賞典という過程と、フランス遠征-シャンティでの調教-凱旋門賞という過程が同じなどと言うつもりはありませんが、ローテーション、そして、そこから浮かび上がる考え方としては大差無い、ということになろうかと思います。
何が言いたいかというと、どうしても凱旋門賞を取りたいならば、そこに絶対的なピークを設定し、そこから逆算したローテーションが考えられるべきであろう、ということです。
日本のG1にある程度のピークを設定しながら、その間隙を縫って、凱旋門賞を取る。と言う姿勢では、駄目だったということですね。いかなディープインパクトであっても。
今年、ディープインパクトが凱旋門賞をどうしても取りたいのであれば、少なくとも天皇賞後に、渡仏して、前哨戦を使った上で本番に挑むという形が望ましかったと思います。
ベストは、日本で走っている場合ではなく、エルコンドルパサー同様に、今年は欧州でのレースを転戦するという形式だったのでしょう。
なんなら、去年の秋、凱旋門賞、BCターフに出走していたら、どちらも勝てたのではないか?と思っていたくらいです。去年なら凱旋門賞は56キロで出走できていたわけですから。
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池江調教師は優秀なトップトレーナーですが、従来のオーソドックスな日本競馬の中で長年過ごされてきた方です。そんな方に、日本での競馬を捨てて、欧州に専念するローテーションを設定し、実行するということを求めるのはこちらの我儘なのでしょう。
ましてや、無敗の二冠馬に菊花賞をスキップさせて、凱旋門賞やBCに出走させるなどは、考えの外でしょう。
それでも、どうしても勝ちたいのであれば、それぐらいの徹底振りが必要だったと思います。
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「あとがき」
いやあ、書きましたね。
長すぎ。数回に分けて、加筆修正しながらのものとなりました。
これだけ長々書いといてなんですが、これらは全て一素人の素人考えです。でも、そんなところだからこそ、僅かばかりの真実が潜んでいるということも、無い話ではないと思います。
実際問題、これだけの批判しておいて、自分はフランスに行っているわけです。しかも、ディープの馬券で勝負している。応援記念馬券(単勝2ユーロ)ではなく、大枚を(といってもたかが知れてますけどね)。
こんな事を書いていても、「いや、それらのマイナス要因も何も、全てぶち破って圧勝してしまうのではないか?」とか考えていたのですから、自分も同類ではあるわけです。
そして、レースを身近で観戦し、その惜敗ぶりを見るに付け、以上のようなことを思い、書き連ねなければ、気持ちの整理が付かないのです。
勝てたんだよ。ほんとに。後ちょっとで。
でも、これで挑戦はやめて欲しくない。今、日本にいる競走馬と言うことであれば、文句なく、最強であるディープインパクトの役割は少なくないと思う。それは国内でG1の数を重ねることではなく、欧米の頂点を極めるレースで日本競馬の到達点を高らかに宣言することだと思う。
今のところ、陣営は来年も現役の続行を示唆している。であれば、来年こそは、欧米のレースに専念し、願わくば、来年のロンシャンで最高の結果をもたらしてくれん事を。そして、その歓喜の瞬間を私も現地で共有したいものである。
Keep Trying! NO CHALLENGE NO GLORY
--------< 引用終わり >-----------------------------------------------------
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自分でいうのも何ですが、熱い^^
そして、今回の遠征でも、殆ど適用出来る内容。同じことを繰り返しただけだったのかな、とかなりブルーな気持ちになります。
以前のエントリーの中で、明確に違っているのは、実力的には?だったレイルリンクと掛け値なしに強かったザルカヴァというところですね。
結果論で言うと、どんな調整や臨戦過程を辿ったとしても、ザルカヴァを倒すことは、恐ろしく難しく、多分無理だったろうなあ、ということでしょうかね。
ということで、次回エントリーにて、今回の凱旋門賞のレース自体を検証してみたいと思います。(もったいぶってスマソ)
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