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2008年11月24日 (月)

競馬場でEeePCを使ってみた in 福島競馬場

まあ、そんな訳で、タイトル通り。

最初のEeePC-901Xの購入動機の一つでもあり、イーモバのデビュー戦を飾る場所として、相応しかろうということもあるし、今日は、今年の福島開催最終日ですから、久しぶりに行ってみようということに。

それと昔、モー娘。の極軽ヲタだった身(極秘情報^^)からすると、矢口の低身長を身近で体感するのも、また、一興と思ったことも告白しておく。

さておき。

普段行きなれていない人間にとって、出撃のテンションをどの程度に設定するのか、というのは、常に悩みの種となる。

指定席の列に連なるにせよ、矢口のビーナスなんちゃらに並ぶにせよだ。

ということで、私個人としては、異例の高テンションで、開門時間近辺の9時に競馬場到着。

一階から、そそくさと指定席の列へ。

これが想定以上に多い。もう禁煙エリアはほぼ満杯。父親も同行だったので、喫煙も考えていたため、こちらへ。最も人の並んでないB喫煙中段をチョイスし、確保。

そのままの流れで、3階に上昇。

さりげなく(さりげなくなかったかもしれないが)、ビーナスなんちゃらのほうを見ると、既に終了の看板。

まあ、それも致し方なしと、席に向かう。

まず、EeePC-901Xをバッグから取り出し…

っていうか、そもそも初めてEeePC-901Xを家の外に持ち出したのだが、普段の家の中でのPC単独での移動ではそれほど感じなかった重さを、リュックに入れて下げて持ってみると意外に重量感を感じてしまった。といっても1,100gなのだが。そして、背負うとその重さは殆ど感じないレベルだったことも付け加えておく。

閑話休題

EeePC-901Xさんですが、前夜から、きっちりフル充電しておき、パワーセイブモードに設定しておいたのに、バッテリー残が5時間。あれ?最初はもっと長かったような…。

でまあ、イーモバをつないで、ダイヤルアップと思っていたら、無線LANが反応して、ネットワークを検知しました。

確かに、昨日、JRAの福島競馬場のページに、以前は無かった無線LAN対応の席があるという記述は見たのだが、今、どの席か覚えていなかったので(それと、その記述のところに、値段が書いてあり、これはそもそもの指定席としての値段なのか、指定席料金から追加される値段なのかの判断もつかなかったので躊躇)、どうしたものかと思案してしまった。

相談した某氏から、「使って良いのでは」と言われたので^^(主体性なし)、そのまま使用。

後で確認したら、「スタンド4階B指定席の「アとイの列75番~79番(計20席)」とのこと。

私が今日座ったのは、「スタンド4階B指定席のウの列71番a、b」だったので、めちゃ近かったから、繋げられたみたい。ラッキー。でも、コンセントが無いので、時間は大切に。

で、イーモバは出番がなくなったのですが、一応、確認の為に、装着。まあ、普通に接続できた。何ら問題は無いが、無線LAN(FREESPOT)に比べれば、遅さはしょうがないところ。

スリープを使って、バッテリーを節約しようとすると、次に起動させるとき、ネットワークの修復をするというロスタイムが生じる。父が横にいる時は、置いていけるが、いない時は、閉じて、リュックに入れて、券売所に行かなければならない。

それも、PATの残金が、土日で非常に少なくなってしまったからだが、結構煩雑。この部分は、もしかすると、イーモバの方がスムーズさがあったのかもしれない。

そんなこんなで、午前はバッテリー温存策をとり、後半レースでは、スリープなしの設定で、連続使用に突入。

………

でも、スリープなしのセッティングにしたことで、バッテリーの減りは想定より早く、4時前後で力尽きる。

まあ、馬券購入については、ほぼ完了していたので、大した支障は無かったのだが、状況的に、こんな感じだったということを、リポートしておく。

ただ、相も変わらず、馬券自身は、今日は福島7Rの単賞一本のみと言う、お寒い限り。

馬券を何とかして欲しい、っていうか、何とかしろ俺。

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2008年11月22日 (土)

EeePCでTARGETを使ってみる(E-Mobileもね)

NEWパソコン2台による運用も、大分時間が経ち、板についてきた。

とは言え、未だEeePC901-Xのバックアップ体制が整っていないという時点で、まだまだ、危機管理は甘いわけだが、まあ、母艦の方は、先のエントリーのように、完全バックアップ体制を敷いているので、何とかなるか、という感じ。

実際問題として、マイEeePCは、ネットブラウジングや、PATでの馬券購入に関わる作業が9割以上なので、母艦とTARGETのデータをミラーリング出来ている以上、何か不都合があっても、対応できると言うのは非常に心強い。

んで、今回は、同じ様に、ネットブックをモバイル端末として活用してみようかな、という人の参考になればいいかなと思い、書いてみる。大した情報じゃないけど。だって、ネット上で得た知識で構築しましたので、誰でも出来る。ま、こんな構成でも運用出来てますよ、という実績報告ですね。

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これまで、血統ビーマーで、M使い(どっちも中途半端だがorz)の私は、HP等で情報は得ていたが、基本、競馬新聞での検討が中心でした。ので、JRA-VAN等のデータサイトを利用してはいなかったのだが、数ヶ月前から、ネットブックについての情報を見るにつけ、「これは、有効な使い方が出来るのでは?」という感触を得ました。

これまでのモバイルPCでは、流石に、投資金額が高額すぎて手を出そうという気になりませんでしたが、ネットブックの4万~6万という設定は、頑張れば何とかなるレベル。であれば、無線LANでの家の中での運用、データ端末等を利用した競馬場での運用も十分視野に入ってくる。

という観点で、機種の選定に入ったわけですが、8月時点では、EeePC901-X以外にはありませんでした。(今なら、多少目移りする機種もありますが^^)

やはり、家でも、屋外でも、バッテリーでの運用にこそ、メリットがあるとすれば、バッテリーの長時間駆動は、どうしても外せない要素です。となれば、現時点でも、最も長時間駆動のEeePC901-Xは、リストのトップに入ります。

無線LANでも11nまで対応しているのは、ASUSだけでしたし、今は考えていないけど、Bluetoothが搭載されているのも、後々には有効。持ち歩くことを前提にしたら、HDDよりも振動に強いSDDモデルを選ぶことは、当然の成り行きでもあるし。

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そんなこんなで、EeePC901-X。

問題点は、やはり、ストレージの容量が少ない、という点。

C:4GB D:8GBと言う構成。

特に、Cドライブの4GBは殆どXPが占領します。初期状態で、残は1GB切ってますし。WindowsUpdateしたら、がっつり容量減るし。

ということで、定番のスリム化なんですが。

実際には、さほど行っていません。というのも、用途がはっきり限定されているから。

定番の方法を調べてみましたが、イーモバを使うので、モデム関連のドライバは削除できないし(一度、削除したんだけど、母艦のドライバをコピッて、復元^^)、CドライブのファイルをDドライブにマウントするというのも、面倒(爆)。

まあ、WindowsUpdateでダウンロードしたファイルの削除(インストール後は全くの無意味の為)と、WindowsLive関連(メールは、こちらでは、webメールで対応可能だし、それ以外のものは全く必要なし)とか、もともと入っていたソフトを何本か、単純にアンインストールしただけで、何とか空き1GB程度が実現してしまったので、それ以上する気にならず。暇があったら、トライしてみますが。

ちなみに、Cドライブに新たにインストールしたのは、セキュリティのESETのみ。これは、サイズの小ささと評判の良さでチョイス。

Dドライブは8GBで余裕もあるので、敢えて何もせず(めんどい)。一応、StarSuiteも残しているし、WINDVDが重いと言う評判だったけど、使ってみると支障ないので、これもそのまま。寝ながらDVDとか、出先でDVDとか使い手はあります。

で、Dドライブには、JRA-VAN NEXTとB’s Recorderをインストールした。でも、ぜんぜん余裕。残6GB以上。

最後に、TARGETを導入することを決意。前々から、使えるやつだとは思っていたけど、電脳馬券師ではなかったということと、これに金額を使うと、新聞・ギャロップ代と併せて洒落にならん、ということで、二の足を踏んでいました。(JRA-VAN NEXTで月840円+DataLabで、月1995円)が、新聞購入停止、ギャロップ購入停止、フジテレビ721+739停止で、バランスが取れることを確認し、契約。

問題は、TARGETはデータを蓄積するソフトということで、その置き場所。ソフトの仕様では、5GBから10GB程度を要求しているので、既存のストレージでは対応不可。で、SDHCカードによる運用が浮上してきた。SDHCカードをドライバの改良でHDD化して、そこにインストールするというもの。SDHCのカードも値下がりが激しいので、私が買った時点で、16GB(A-DATA製EeePC用というもの)が5千円弱(今なら4千円弱で購入可能)。

いざ、ネットでHDD化に関する情報を検索し、ドライバを確保。情報どおりに書き換えて、インストールして、SDHCを差してみると、見事にHDDとして認識してくれた。ここに、DataLab、JV-LINKとTARGETをインストールし、データを登録。

ここで、注意!

2台での同期と運用を考えて、TARGETのHPにも書かれているように、それぞれ(デスクトップとEee)にインストールして、データを登録しようとしたのですが、デスクトップでも、全データを登録するのに(と言っても、私は調教は関係ないので、坂路調教データは非登録ですが)、トータル3時間~4時間程度は掛かってしまったので、ただでさえ、書き込みの遅いSDHCでは同じ様には出来ず、データは母艦のデスクトップからコピーし、TARGETへのデータの登録だけ、実行しました。

これが遅い!

はんぱねえ、遅さ。

11月19日付けのTARGET開発者の久根崎透氏のブログで、「ポータブル化しているので、フォルダごとコピーすれば、起動する」という記述に、ドヨーンとしているのですが。

私は、素直にやりましたよ。一週間かけて、ちょこちょこと。

寝る前に実行。朝起きたら止める。とか。朝会社に行く前に実行。帰ってきたら止める。とか。会社から帰ってきたら実行。寝る前に部屋に帰ってきて止める。とか。トータル何時間とか忘れるぐらいの感じ。

でも、データのフル登録後は、問題なく、使えてます。

とは言え、開催日の成績データ取得とか、オッズデータ取得では、工夫が必要。

これも書き込み速度に由来すると思いますが、非常に遅い。デスクトップなら、いつどんなタイミングで実行しても、ほんの数秒で終了しますが、SDHCだと午前中分まとめてとかだと数分掛かります。馬券検討する時間がなくなります。なので、私は、開催日のデータ取得はこまめに行っています。30分から1時間おきに取っています。これなら十数秒~数十秒程度の時間で済みますので、何とか。ちなみに、現時点での、使用容量は3GB強。全然、余裕。

そして、データの同期。これも、「ポータブル化しているので、フォルダごとコピーすれば、起動する」ということで、解決してしまったのですが^^。

私は、「BackupF2F」というフリーソフトで対応しています。

このソフトで、予め、SDHC→デスクトップ、デスクトップ→SDHCという同期を取るべき、ファイルやフォルダを登録しておき、同期を取る方向のファイルを実行すると、ログを表示しながら、コピーしてくれる、この作業の為に作られたようなソフトです。使い方簡単だし。これはオススメ。

やはり、通常、データの整理や検討にはデスクトップでの作業がベストだと思います。画面の大きさは作業のしやすさと比例すると思うし。でも、機動性が求められる場面では、モバイルは貴重な存在。それを2台使って、素早く、データを行き来させながら、使用できる今のスタイルを大変気に入っています。

と散々、書き連ねておいて、馬券は絶不調なんですけどね(爆爆爆)orz

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次に、イーモバ。

こちらは簡単。

マニュアル通りに、USBに差したら、普通にインストールして、つながりました。

というか、イーモバのHPで確認すると、家はエリア外のはずなのに、問題も無く、つながる。それもアンテナいっぱい立ってる。

問題ないのね。

でも、下手に使っちゃうと課金されるので、Yahoo表示を確認して、切る。

問題なし。

しかし、未だ本格使用の機会訪れず。

いつのことやら。

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2008年11月19日 (水)

クラシック開放!

11月18日、JRAは、2009年以降の競馬番組やシステムを発表した。

先に、発表されていた「本邦外居住者の馬主登録」についても正式に発表されたが、それ以上に重要な決定は、やはり、クラシック競走の来年以降の二年間での完全開放であろうと思う。

そもそも、パートⅠ国入りが決定した時点で、これは規定路線であったし、個人的には、これでも遅いとすら、感じてはいます。とは言え、スタートしないことには、話は始まりません。今回の発表に関しては、概ね歓迎できるものだったので、安心しているところ。まだ、詳しい要項は発表されていないので、何とも言えない部分は残りますが。

ここで、昨年、私がパートⅠ国入りが決定したことについて書いたエントリーを再録しておこうと思う。

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<2007年3月10日>

そもそもタイムリーなんて言葉とは縁遠いHorseplayerですので、今更、こんな話題。

「開放していないGⅠ(クラシック等)のグレード剥奪」

これ私からすると、「いや、初めからそういう事態になるだろうと思いましたけど」という感じ。

ただ、もともとG1って言ったって、評価してるのは日本人だけで、外国人から見れば、これまで一貫して、リスレッドレース(オープン特別相当)扱いだったわけで、海外の競馬関係者にとっては、元からディープはGⅠ2勝馬なので、格下げっていう表現は稚拙です。

日本人的には、今までもこれからもクラシックレースは、心のG1なんですから、違いはありません。

………ただね、まあ、ある意味、その国の競馬体系を象徴するレースをリステッドレースの地位に甘んじさせておいて、何がパートⅠ国か!っていう話ですよ。

こんなもん、パートⅠ国に承認された時点で、想定されうる事態ですよ。私はてっきりその辺も話がついてるのかと思ってたくらいで。

がっかり。

Gが使えないから、CとかJとかどうでもいいけど、そんなこと考えてる暇あったら、開放しなさいよ。そうすれば、何の問題もなく、GⅠでいけるんだから。

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生産者とか何を恐れているのか、分かりませんが、クラシック開放したって、問題が起こるとは思えないんですけどね。

○第一、参戦があるとは思えない。

クラシックはどんな国の競馬でも、象徴的なレースであって、この時期に、他地域のレースに挑戦する意味がない。現状日本が挑戦するだけの価値を世界に示せていないという部分も大きいが。

○第二、日本馬はかなり強い

仮に、参戦があったとして、そうそう簡単に負けるほど、日本馬は弱くありません。欧米のGⅠ級の馬でなければ、勝負にすらなりません。

そして、第一の理由に戻って、そういうGⅠ級の馬は自国のクラシックに向かうことになると思います。

中には、「ゴドルフィンやクールモアなら、4、5番手の馬で、勝ちに来るかも」と思う方もいるかもしれません。鋭い。その可能性はあります。ただ、再三言っているように、海外の競馬関係者にとって、日本のG1はそれほど意味がありません。そのリスクに対して得るものが少ない。彼らにしたところで、ヨーロッパとアメリカで対抗するだけで、手一杯な印象を受けるのですが、どうでしょう?また、最近では、それぞれ自分達の種牡馬しか配合せず、セールでも相手方の血統に関係した馬は購買しない、とかいう馬鹿げた行動で対抗している彼らに、恐れることはないと思っています。

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私は、原則、全ての重賞は開放すべきだと思う人間ですが、具体的には、どの様な形がいいか、考えて見ます。

流石の私も、なんでもかんでも出走させるのがいいとは思いませんので、最大、3、4頭の出走枠を設定し、開放するという形をとるべきだと思っています。世界の競馬と違い、日本では、フルゲートを越える出馬登録が日常茶飯事ですので、ましてや、クラシックともなれば、誰でも出たいと思うレースですから、それに見合った選定方法が求められます。

今現在、競馬界には、クラシフィケーションという便利なものがありますので、これを使うのが、最も手っ取り早いでしょう。

グレードに応じて、出走資格の数値を設定しておき、獲得しているレーティングで出馬投票をするという形。パートⅠ国であれば、それぞれ各国のレイティングが概ね国際レイティングに追認されるので、その数値で判断。それ以外の国であれば、最初はオープン競走やG3といった辺りに出走してもらって、国内でレイティングを獲得してもらった上で、上位の競走に出走する。というステップを踏めば、日本馬同様に、経過を追えるので、海外の競馬を知らないようなファンも、理解できるし、応援も出来るかもしれません。

こうすることで、冷やかし的な馬の登録は防げるし、ある程度のレースの格を維持する役割も果たします。また、先般のゴドルフィンやクールモアといった大勢力の隠し玉的な馬の出走も抑制できるのではないでしょうか?

あと、これは色々な問題もありますが、日本産馬であれば、外国調教馬でも出走を優遇する、という手もあります。外国産であれば上記の出走資格を求められるが、日本産馬に関しては、日本調教馬同様の扱いにする、というものです。

そうすると日本の競馬に参戦しようとする外国の競馬関係者は、日本馬の購買も含めて、考えるようになるのではないでしょうか?この形であれば、海外調教馬でも日本産馬で、しかも、生産者賞は日本の生産者が受け取るのですから、賞金の全くの流出ということは避けられますし。

まあ、色々ありますが、この程度のことは考えてんでしょうねえ。JRA。そんなことも考えずに、パート1国入りではしゃいでたんじゃないですよね?そう願いたいものです。

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これで、問題が全て解決したわけではないし、売り上げ減少、競馬離れ、といった問題や、競馬の質の問題、海外遠征、海外からの遠征の問題etc。問題は山積しています。

後は、JRAのお手並み拝見、といった感じ。

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2008年11月 9日 (日)

ブリーダーズカップ回顧 -クロスオーバーする世界-

既に、天皇賞、JBCクラシックと見応えのあるレースを見てしまった後だが、ここで、ブリーダーズカップを回顧しておこうと思う。

日本的には、カジノドライヴが惨敗した、ということで、完結してしまっている気がして、非常に暗澹たる思いにさせられてしまうのだが、今回のブリーダーズカップには、非常に重要な要素があったことをここに記しておきたいと思う次第。

各レースを振り返るという形式も考えてみたが、ここはブリーダーズカップクラシックにおいて現出したヨーロッパ調教馬によるワンツーフィニッシュという事象の重要性について語るべきと判断した。これは、アメリカのみならず、ヨーロッパや日本の競馬をも、大きく変動させかねない大きなうねりの序章に過ぎないと私は考えている。

ご存知の通り、クラシックでは、ダート最強馬カーリンが敗れ、ヨーロッパから遠征したレイヴンズパスが快勝し、同じくヨーロッパのヘンリーザナヴィゲーターが2着した。

これは、彼らが強かったという以上に、オールウェザー(AW)、とりわけ、プロライドという素材を使用したサンタアニタの馬場は、アメリカンダートトラックとは似て非なるものであり、それは、ターフコースで必要とされる要素を多分に含むコースであるということである。

つまり、乱暴に言ってしまうと、グラスホースに有利なコースであるということである。

そもそも、AWというコースは、登場した当初から、芝コースに似通ったコースである、グラスホースの対応できるコースである、ということは言われてきた。

現に、この数年、アメリカ国内においては、芝→AW→ダート、ダート→AW→芝という路線変更を成功させる事例が増加してきた。そして、そのノウハウを持って、コースを横断して出走させることは、さして珍しくないことになってきている。

しかし、今回は、よりドラスティックな結果となった。

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今回、私は初めてブリーダーズカップデーをストリーミング放送でライブ観戦することが出来た(本当は、TV放送を見れれば、それに越した事は無かったのだが)。それを見ていて感じたことは、AWにおけるレースの様相が、これまでに見てきたダートレースのものとは異なり、芝のレースのような瞬発力勝負の様相を呈していたということである。

そんな中、クラシックも同様のレースとなり、先行馬を直線で捕らえたカーリンを、後から、ヨーロッパの2頭と定位置の後方に位置していたティアゴが差して来た。

ここで、好走したこれらの馬と、人気を背負いながら、凡走した馬、数頭を比較検討してみようと思う。

まず、史上初めてBCクラシックをワンツーで決めた欧州のトップマイラーの三歳馬二頭。

・レイヴンズパス(牡3歳)

英、J・ゴズデン厩舎。Elusive Quality産駒のアメリカ産馬。2歳デビュー時から、一貫してマイル路線を歩み、セントジェームスパレスSやサセックスSでヘンリーザナヴィゲーターの2着となり、その後、クイーンエリザベスⅡ世Sで、ヘンリーザナヴィゲーターやタマユズといったトップマイラーを降して、GⅠ制覇。直前に急遽出走を表明しての参戦となった。

・ヘンリーザナヴィゲーター(牡3歳)

愛、エイダン・オブライエン厩舎。Kingmambo産駒のアメリカ産馬。2歳デビュー時から、マイル路線のトップホースの一頭として注目を浴び、2000ギニーからサセックスSまで、GⅠ4連勝。<ザ・ロック。ロックオブジブラルタルや<アイアンホース>ジャイアンツコーズウェイの再来かと話題に。シーズン後半はやや失速したが、マイル路線の主役として転戦。比較的早くからBC参戦は示唆されていたが、当初はマイルとクラシックの両睨み。最終的にクラシック参戦となった。

この二頭には、多くの共通点が見て取れる。

芝・ダート兼用の父を持ち、その競走生活はヨーロッパの芝レースに終始し、その距離カテゴリーはマイルであるということ。また、キャリア10戦程度の三歳馬であるということ。

戦績が少ない(といっても、10戦はあるわけだが)三歳馬ということで、適性が固定化されていない、つまり、対応能力が高い状態での参戦となったことも今回の好走に繋がったと言えるであろう。

この二頭の違いは、Elusive Qualityという、アメリカにより適性を示している種牡馬と、どちらかというと欧州に適性のあるKingmamboという差が最終的な着順に繋がったのだろう。勿論、デットーリという騎手の要素も大きかったと思う。嵌った時のデットーリには、どんな騎手でも太刀打ちできない。

次に、3着馬。

・ティアゴ(牡4歳)

昨年からトップホースの一員として重賞戦線の常連だったが、後方からの追い込み脚質もあり、勝ち味に遅い傾向にあった。今回は、馬場の特性と展開、そして、カーリンの失速によって、3着に食い込んだ。そして、いみじくも、ティアゴも距離適性は短めにシフトしている(千八がベスト)。これも今回のレースの重要な要素の一つであろう。

ここで、最も重要な馬。ダート競馬、現・世界最強馬

・カーリン(牡4歳)

結果から言ってしまえば、この馬はダートの最強馬であって、AWの最強馬ではなかったということであろう。そして、カーリンの負け方は、ターフレースである、前々走のマンノウォーSでの負け方と非常に重なるものがある。これは、このAWというコースがターフコースに酷似しているということの証左ともなると思う。そして、これまでカーリン陣営が、AWを使わなかったことは、非常に賢明であったというべきだろう。

距離的なことに関して言えば、この馬はデビュー戦以来、マイル以下を走ったことがない。このことも今回の結果には、影を落としているかもしれない。

次に、芝のトップホースの一頭。

・デュークオブマーマレード(牡4歳)

現在、欧州において、最もファッショナブルな血統といっても良いデインヒルの系統である本馬。昨年までのマイル路線では、堅実ながらも、脇役に甘んじることの多かった馬が、今年距離延長で大変身。春から夏にかけてのGⅠ五連勝は圧巻だったが、凱旋門賞の展望でも指摘したが、この馬の適性は10ハロンから12ハロンにあり、マイルでは短すぎたというのが、今回の結果に大きく影響しているように、今となっては思える。

レースでは、見せ場すらなく、9着惨敗。シーズン後半のアクシデントや、調子が下降気味だったといったことや、4歳という競走年齢で資質が固定化(完成)してきたということも影響しているだろう。要するに、ここは彼の走るコースではなかった、ということだろう。

ここで、日本人的に、取り上げなければならない馬。

・カジノドライヴ(牡3歳)

血統的に大きく注目され、一連のベルモントSに向けた遠征で、日米ともに名を知らしめた馬。ピーターパンSでの完勝から、日本馬によるアメリカクラシック制覇の期待が膨らんだが、直前でのスクラッチ。アメリカ側での厩舎の調教スタイルに関する批判なども出るなど物議も醸した。しかも、結果がビッグブラウンの三冠達成どころか、あまりにも意外なアンチクライマックスなものだっただけに、余計に悔やまれる結果だった。スクラッチの原因となった挫石が長引き、今回のBCへの遠征も危ぶまれたが、何とか間に合い、アローワンスを叩いての臨戦となった。

結果的には、先手を奪うも直線に入る頃には失速。最下位での入線となった。

この結果には、些か落胆もさせられたが(期待の程は、先のBC直前のエントリーを見て下さい)、彼が凡走する要因は、戦前から幾つも指摘されていたし、それらの正当性を私も認識していたので、納得する部分もある。経験の無さ、挫石からの一連の流れ、或いは、今年のキャンペーン自体の問題。そして、本馬のそもそもの実力といった事柄。

ただ、レースの終わった今考えて見ると、しかも、上記の好走馬、凡走馬の分析をしていく中で、思ったことがある。陣営も指摘したAWが向かない、と言う点。私もそれは思う。ただ、それだけでは不十分な指摘で、この馬はアメリカンダートのチャンピオンディスタンス、もしくは、それを越える距離に適性のあるステイヤーなのではないか、ということである。

まあ、単純に、ベルモントSを連覇した兄弟を挙げただけで、事足りることなのかもしれないが、これまでに述べてきたことで、気付かされる事は、

「今年のBCクラシックにおいて必要とされるスピード量と芝適性(芝適応力と言ってもいいかもしれない)に、カジノドライヴは見事に合致していない」

と言うことである。

ここまで述べてきたように、今回の好走馬は、欧州のマイラーである。芝適性について言及するのは、何ら不自然ではない。そして、同じく欧州から遠征したチャンピオンディスタンスホースは全く良い所なく惨敗した。これはマイラーの持つスピード量が要求されていたことを指し示してはいないか。

血統的にも、歴代ダートコースのレースにおいて、チャンピオンを輩出してきたシアトルスルー系の本馬は、レース振りとしては、少ないながらもダート競馬のオーソドックスなスタイルを踏襲している。キャリアやレースレベルの違いはあれど、カーリンのレース振りとも重なる。ということは、このコースのダートコースとの乖離性を証明してはいないか。

そんなことを考えていると、そうでありながら、掛かったにせよ、先行し、一応レースに参加し得たカジノドライヴという馬とチームには、絶望ではなく、幾らかの希望を見出しうるのではないかとも思えてきたのである。

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ここで、タイトル、そして、最初の問い掛けに話が及ぶ。(死ぬほど長くてすみません^^)

今回の結果を受けて、欧州の競馬関係者は、間違いなく、来年のBCクラシックというか、米国遠征のスタンスを変えてきます。

BCだけに話を絞れば、間違いなく、マイルから10ハロンのスピード色豊かな馬(米国風味の血統が加味されていれば完璧)を遠征させるでしょう。オブライエンなどはもう、その候補を考えているかもしれません。ゴドルフィンも既に、トレードする馬の選定や日程を調整しているでしょう。

ここで、日本はどうでしょう?

カジンドライヴの惨敗を受けて、陣営はAWには出走させず、ダートレースを対象とした遠征を示唆しています。正しいアプローチでしょう。

しかし、それ以外の反応は皆無。

私は、今回の結果は、ある意味日本競馬にとって、非常に大きなチャンスが巡って来たと感じています。

それは、やはりSS系というキーワード。

ここで、これまでに見てきた様々な要素を考えてみる。つまり、AWでのクラシックは、芝のマイル~10ハロン程度の距離で必要とされるスピードを持ち、血統的には、ダートの要素を持つというもの。

これはサンデーサイレンス系の馬が多く持つ要素だと思う。

勿論、だからと言って、すぐに勝てるわけが無いという意見が多数出てきそうだが、これまでそのようなアプローチが取られたこと自体、皆無である以上、それは成功するとも、失敗するとも言えない。少なくとも、欧州の二頭の成功から何かを感じ取る気概が無ければ、伝統の欧州と質量のアメリカに立ち向かうことは、おそらく出来まい。

どうも日本の競馬関係者は、「芝でトップに立てば、凱旋門賞」「ダートでトップに立てば、ドバイWC」という単純な理論展開をしているが、よりアグレッシブな考え方をしていかなければ、上回ることは出来ない。

恐らく、現在競馬の中心は、アメリカにあることは、疑う余地は無い。それは、BCというレースに伝統の欧州のトップホースが大挙して遠征している現状を見ても、それは明らかである。つまり、アメリカのレースを制したものが、世界の競馬の覇権を握るのである。

今年、欧州は、アメリカ競馬の本丸に、大きな風穴を開けた。

それは、日本競馬にとっても、チャレンジする価値のある結果を導き出している。勿論、アメリカも黙ってはいないだろう。AWの競馬場を減らすというような、乱暴な手段をも使ってくるかもしれない。

今、世界の競馬は、芝、ダート、AWというカテゴリーの垣根を越えて、大きく動き出そうとしている。

ここに日本の競走馬が、果敢に挑戦する姿を私は見たいのだ。サンデーサイレンスの血を持った日本馬が、アメリカのAWのトラックを雄々しくトップで走る抜ける姿を。

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